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組立順番
組立を行うときに注意した方が良いと思われることをまとめてみました。
部品に隠れるジャンパ線を先に付ける。
当然ですけど、部品の下を通すジャンパ線(ICソケットの下とか)を先に付けないと、後からは付けられません。
組立は基板の右から左へ、または、右から左へ。
部品を基板に一度に乗せてしまうのではなく、一方向に一つずつ乗せて組み立てます。
これは部品と部品の間隔を間違えずに組み立てるためと、部品を付けるスペースを確保するためです。
出来たら背の低い部品から付ける。
一方向に組み立てれば部品を差し込むスペースは確保出来るわけですが、でも、背の高い部品を付けると、背の低い部品は付けにくくなります。
部品は一つ乗せたら、ハンダ付けしてしまう。
部品を固定するためにハンダ付けをしますが、全ての足(リード線)をハンダ付けするのはちょっと待って下さい。
部品を乗せたら、部品間の配線も一緒にハンダ付けをする。
配線のハンダ付けと、部品の足のハンダ付けの順番を考える必要があります。
配線を先に行ってしまうと、部品の足を通す穴を塞いでしまうことがあるからです。
逆に部品の足を全てハンダ付けしてしまうと、配線をする部分に既にハンダが付いて盛り上がってしまうので、配線がきれいに付けられないことがあります。
ですから、どの足をハンダ付けして固定するかを考えなくてはいけません。
以上が組み立てる順番の注意点です。
部品搭載時の注意
部品によっては取り付ける方向があります。ここにいくつか取り付けるときに注意しなければいけない部品を載せます。
電解コンデンサ、タンタル・コンデンサ
極性(プラスの足、マイナスの足が決まっている)に注意します。
ダイオード
IC(DIP)
搭載の向きに注意します。DIP(足が両側に出ているもの)の場合、上から見てくぼみのマークを左にして
下側の左から右へ1番ピンから順番になります。上側は右から左に若番から老番になります。要は左回り番号が付けられています。
パターン図などは、基板の配線側(裏側)から見ることになりますので、右と左を間違え易いので、注意が必要です。
私は時々間違えます。
トランジスタ
2SC1815などのタイプの場合、真ん中がコレクタであることはすぐに分かるのですが、ベースとエミッタを逆に見てしまうことがありますので、注意が必要です。
3端子レギュレータ
78Lタイプの場合、真ん中がアースであることはすぐに分かるのですが、入力側と出力側を勘違いし易いです。
79Lタイプとか78xxなどはピンの配置が異なりますので、データを調べる必要があります。
発光ダイオード
アノードとカソードが分からなくことが多いです。新品の場合長いリード線の方がアノード(プラスにつなぐ)側です。
ハンダ付けに関する要領
ハンダ付けには若干のこつが必要です。慣れればどうと言うことはないのですが、はじめの頃は思うようにハンダ付けが出来ないかも知れません。何回も失敗してだんだん要領が身に付くと思います。
ハンダ鏝の温度
ハンダ鏝に電源をつないでもすぐには暖まりません。しばらく待ちます。
数分すると暖まりますので、ハンダ鏝の先端にハンダを付けてシューっと溶ければOKです。
ハンダ鏝の持ち方
ハンダ付けをする部分を先に熱くする
ハンダ付けを行う部品とプリント板、配線の部分にハンダ鏝を当てます。この時は、まだ、ハンダは付けません。
でも、この動作は数秒です。長いと部品を壊してしまいます。
ハンダはハンダ自身が溶けて部品などに付くわけですが、付くほうの部品などもハンダが溶ける温度になっていないと、部品にハンダが触ったときに固まってしまってうまくハンダが付かないわけです。
部品もハンダが溶ける温度にする必要があります。
このタイミングに若干慣れが必要です。
ハンダを付ける
ハンダ鏝はそのままで熱くなった部品などに糸ハンダを付けます。ハンダが溶けて部品、プリント板などに広がって行きます。ハンダが付いたと言うよりは、ハンダが塗れたと言う感じであればOKです。
ハンダはあまり多く付けない方が良いです。付ける場所にもよりますが、理想的には富士山のスロープのように付くのが良い付き方です。小さな部分ではハンダの表面張力でスロープにはならないのですが、この辺は気にしなくても良いと思います。
ハンダ、ハンダ鏝を離す
部品にハンダが付いたら糸ハンダ、ハンダ鏝を離します。同時でもかまいませんが、若干ハンダを先に離した方が仕上がりがきれいです。ハンダ鏝を先に離すとハンダはすぐに固まるので、糸ハンダも一緒に付いてしまいます。
ハンダの補修
ハンダ付けをした後、見てみたらハンダが少なすぎたり、多すぎたり、形が悪かったり、色が汚かったりすることがあります。このとき再度ハンダ鏝を当てて補修しますが、単にハンダ鏝だけを当てて補修するとうまくいかない場合があります。そのようなときにはハンダ鏝を当てて溶けたハンダの部分にさらに糸ハンダを付けるときれいにできます。でも、だんだんハンダが多くなりますので、多すぎる場合にはハンダ吸い取りで一度ハンダを少なくしてから再度補修した方が良いです。
ハンダ吸い取り
ハンダは一度付いてしまうとハンダを付ける前のように完全に除去することは難しいです。(削るしかない)
でも、ハンダの量を減らすことはできます。一度ハンダ付けした部品をはずす場合もこの方法が使えます。
ハンダ吸取線を使う
ハンダを少なくしたい部分に、まず、ハンダ吸取線を当てます。ハンダ吸取線は銅線で出来ていますので、赤っぽく見えます。ハンダを吸い取ると銀色(ハンダの色)になりますので、銅色をしている部分を使います。
ハンダ吸取線の上からハンダ鏝を当て、部品に付いたハンダを溶かします。溶けたハンダは毛細管現象で吸い取られ、吸取線が銅色から銀色になってきます。一度で取り切れなければ吸取線をずらしながら吸い取ります。
ハンダを吸い取った吸取線の部分はもう使えませんので、ニッパで切って捨てます。
ハンダ吸取器を使う
ハンダ吸取器は円筒形をした道具で円筒の中にバネとピストンが入っていて、バネの力でピストンを動かし、ハンダを吸い取る物です。使い方は道具のページを見て下さい。
こちらの方のが素早くハンダが取れます。