目次電子回路工作入門電子部品の基礎知識




集積回路(Integrated Circuit)はトランジスタ、抵抗、コンデンサ類を高密度で実装してあるものです。
トランジスタとか抵抗とか、個別の部品を単に小さくしたというのものではなく、半導体、抵抗体を使いますがその構造は単体のものとは同じではありません。
シリコンの基板に印刷技術を駆使して、トランジスタ機能とか抵抗、コンデンサ機能を形成していくそうです。とにかく高密度なのです。
ICは特殊用途を含め膨大な種類があります。


写真左上のものはSN7400というもので、2入力のNAND回路が4個入っています。PIN数は14ピンで片側に7ピンずつ並んでいます。このような形状のICをDIP(Dual In Line Package)と呼びます。(DILと言うこともあるみたいです)
これに対してピンが一列のみのものをSIP(Single In Line Package)と呼びます。
ピン数はICの機能などによって変わりますし、形状も多彩です。

写真左下は14ピンDIP用のICソケットです。
交換する必要がない場合にはICを直接基板にハンダ付けして良いわけですが、ICが壊れたときの交換を考えるとICソケットを使った方が安心です。
趣味で電子回路工作をする場合、作っては壊しが多いので、ICソケットを使った方が良いと思います。

写真右上は小電力の低周波電力増幅用(アンプ)のLM386Nです。ピン数は8ピンで、最大出力は660mWです。
トランジスタと抵抗、コンデンサで同等のものを作ろうとした場合には、こんなに小さく組むことはできませんので、ICのコンパクト性が分かります。

写真右下はTA7368Pで、これも低周波電力増幅用のICで最大1.1ワットの出力を出せます。 形状はSIPで9ピンです。




 代表的なIC

以下に代表的なICのを掲載します。(私がよく使うもの)  詳細は規格表を見て下さい。
表の中で、SN74シリーズのICには74の後にLSとかHCとかが入っているものがあります。
LS(Lowpower Shottky)は低消費電力を表しています。また、HCはCMOS(Complementary-Metal Oxide Semiconductor)で作られているもので、より低消費電力です。
ちなみに、SN7400で比べてみますと、それぞれの消費電力は以下のようになります。
(いずれも消費電流の多い LOW 出力時です)
SN7400  22mA
SN74LS00
4.4mA
SN74HC00
0.02mA

全ての種類にLSとか、HCがあるわけではありません。SN7445などはノーマル(バイポーラタイプ)しかありません。
また、使用方法によっては同じ動作をしないこともあります。

名称機能説明電圧(Vcc)ピン配置(Top View) 備  考 
SN74HC00Quad 2 Input NAND+5V 2入力のNAND回路が
4個入っています。
SN74HC04Hex Inverters+5V インバータ回路が6個入って
います。
詳細
SN74LS42 BCD to DECIMAL
Decoder
+5V 入力に加えた2進コードに
より選ばれた出力がLに
なります。
SN7445 O.C. BDC to DECIMAL
Decoder/Driver
+5V 7442のオープン コレクタ
バッファタイプ

出力端子の最大流入電流
は80mA
SN74LS47 BCD to Segment
Decoder/Driver
+5V 正面図
7セグメントLEDのドライバ
オープン コレクタ タイプ
出力耐圧:15V
6と9の表示 
関連 74247
SN74HC73 Dual JK-FFs
With Clear
+5V JKフリップフロップを
2個収容
SN74LS90Decade Counter+5V 非同期2進+5進カウンタ
非同期プリセット9
非同期クリア
関連
 74290
 74390
SN74HC93 4-Bit Binary
Counter
+5V非同期2進+8進カウンタ
SN74HC123 Dual Retriggaerable
Single Shot
+5V 入力の立上り時点から、Cext、Rext
に接続するC、Rの値により
出力が持続するシングルショットレジスタ
SN74LS247 BCD to Segment
Decoder/Driver
+5V 正面図
7447と6と9の
表示が異なる 
SN74LS290Decade Counter+5V SN7490のピンレイアウトを
変えたタイプ
関連
 7490
 74390
SN74HC390 Dual Decade
Counters
+5V SN7490を2回路入れた
タイプ
ただし、プリセット9は
省かれている
関連
 7490
 74290
4040B 12Bit Binary
Counter
(CMOS)
+5V 12ステージのバイナリ・カウンタ
クリア機能を持つ
クロックの立下りでカウント
4541B Progarammable
Oscillator/Timer
(CMOS)
+5V 16ステージのプログラマブル
バイナリ・カウンタ
RC発振回路、パワー・リセット、
出力コントロール回路で構成
コントロール端子により、8、10、
13、16ビットのタップ出力が
可能
NE555タイマ+4.5〜+16V 最大動作周波数:500kHz
温度ドリフト:0.005%/℃
出力電流容量:200mA
遅延時間設定:数μs〜数時間
LM386N-1低周波電力増幅器+4〜12V 最大出力:660mW
負荷:8〜32Ω
制止時回路電流:4mA
LM386N-4低周波電力増幅器+5〜18V 最大出力:1.25W
負荷:8〜32Ω
制止時回路電流:4mA
TA7368P低周波電力増幅器+2〜+10V 最大出力:1.1W
負荷:4〜16Ω
μPC319電圧比較器 5〜18V
±5〜±18V
単電源/2電源動作の汎用コンパレータ

他同等IC
LM319
NJM319
AN1319
7975 MULTI-MELODY
(CMOS)
+1.5〜+3V 8曲を内蔵したメロディIC
2つの音源を持ちエンベロプ設定可
曲目
 グリーンスリーブズ
 エリーゼのために
 乙女の祈り
 山の音楽家
 大好きなワルツ
 ホルデリア
 アマリリス
 峠の我が家









 3端子電圧レギュレータ
    3端子電圧レギュレータを使うことによって、簡便にICなどに使う安定した電圧を得ることができます。
    車載で使うような場合、電源としては+12〜+14Vの電圧ですので、直接はICなどの電源には使えません。
    そのような時には3端子レギュレータで必要とする電圧に変換して使う必要があります。
    3端子レギュレータは出力より高い入力電圧を制御して入力より低い安定した電圧を出力するためのものです。
    入力電圧より高い出力電圧は得られません。
    形状はトランジスタと同じような形をしています。


写真が暗くてよく分からないと思いますが、
写真左は78L05というものです。
大きさはトランジスタの2SC1815などとほとんど同じです。
出力は+5Vの電圧で電流は100mA得ることができます。
入力電圧の最大値は+35Vです。(多少メーカによって違うかも知れません)

写真右のものは7805というもので、出力は+5Vの電圧で電流は500mA〜1A得ることができます。(放熱器の付け方で変わります)
入力電圧の最大値はやはり+35V位です。

出力電圧の種類は 5V、6V、7V、8V、9V、10V、12V、15V、18V、20V、24V などがあります。




     3端子レギュレータのリード線

    メーカによってリード線の配置が異なりますので、分からない場合はマニュアルを見る必要があります。



    78L05の場合
    品名が印刷されている平らな面を手前にして

    右が 入力
    真ん中が アース(接地)
    左が 出力







7805の場合
品名が印刷されている面を手前にして

右が 出力
真ん中が アース(接地)
左が 入力

78L05とは逆ですので、注意が必要です。