抵抗器とは電流の流れを抑える(流れにくくする)機能を持っています。 回路図の記号では で表します。 抵抗値の単位はオーム(Ω)が使われます。また、1000Ωは1KΩ(キロオーム)、1000KΩは1MΩ(メガオーム)と呼びます。 抵抗器は大きく分けて、固定抵抗器と可変抵抗器に分類されます。また、使用している材料により炭素系と金属系に分類されます。 抵抗器を使う場合に重要なポイントは抵抗値もさることながら、定格電力、抵抗値精度があります。 定格電力とは抵抗器が耐えられる消費電力(ワット)で、電力は電流の二乗(I2)×抵抗値(R)で求められ、これ以下で使わないと抵抗器が燃えてしまいます。電子回路で良く使うものとして1/8W、1/4W、1/2Wなどがあります。電子回路の信号回路(弱電流)ではそれほど意識しなくても1/8Wで良いのですが、電源回路、発光ダイオードの電流制御用などの抵抗器には割と大きな電流が流れるので定格電力を意識する必要があります。 定格電力
抵抗値は12Vから5Vにするのですから、抵抗器に7Vがかかる必要がありますので、7V÷0.1A=70Ωとなります。 この抵抗器での消費電力は 70Ω×0.1A×0.1A(または7V×0.1A)=0.7Wとなります。 計算上で求められた消費電力より余裕のある定格電力の抵抗器を選びます。この場合1Wで良いと思います。 基本的には消費電力の2倍位の定格電力の抵抗器を使う方が無難です。 1/8Wの抵抗器でどのくらいの電流が扱えるかとみますと、47KΩの抵抗の場合、√(0.125W÷47KΩ )= √(2.66×10−6) = 1.63×10−3 = 1.63mA となります。電子回路の信号回路で47KΩにこんな電流が流れることはあまりありません(流れる時は1.63mA×47KΩとなり 76.6V がかかる場合です)。 抵抗値
例えば、E3の場合、10を対数的にほぼ3等分して[1]、[2.2]、[4.7]、[10]としています。 E6の場合は[1]、[1.5]、[2.2]、[3.3]、[4.7]、[6.8]、[10]となります。 E12は[1]、[1.2]、[1.5]、[1.8]、[2.2]、[2.7]、[3.3]、[3.9]、[4.7]、[5.6]、[6.8]、[8.2]、[10]となります。 抵抗値が一見ばらばらな値に見えるのはこのような理由によります。E系列は3、6、12以外に24、48、96、192という系列がありますが、抵抗値としては通常はE12系列を使っているようです。(特殊にはそれ以上を使うこともあるそうです。) 抵抗値の表示は数字で印字するには部品が小さいため、カラーコードと言う色で表示しているものもあります。1/2W以下の抵抗器はほとんどカラーコードなので、カラーコードの読み方も知る必要があります。 固定抵抗器
最も一般的で安価な抵抗器です。抵抗値の精度は±5%のものが主流です。定格電力としては1/8、1/4、1/2などが主流です。 炭素皮膜抵抗器は雑音が大きいという欠点があり、アナログ回路には金属系の抵抗器を使うそうです。私の経験では雑音の欠点が気になったことはありません。 抵抗器のサイズはだいたい以下のようになっています。本当は規格があるはずですが、買うときの大きさの目安になればと言うことで、手持ちの物を測ってみました。(店にはワット数が書いてあるけどね)
同じような形をして4S470Ωなどと頭に4Sが付いて表示されているものもあります。このタイプは足が8本で下の図の右のように独立した抵抗器が4つ入っているものです。この種の抵抗器の定格電力は確か1/8Wだったと思います。 サイズは9本の足があるタイプの場合、幅23mm、高さ5mm(黒い部分)、厚さ1.8mmで、8本の足があるタイプは、幅20mm、高さ5mm、厚さ1.8mmでした。
可変抵抗器
写真の右側のものは音量調整等、抵抗値を容易に変更できる可変抵抗器です。真ん中のある4つは形はいろいろありますが、プリント板などに実装する半固定可変抵抗器です。左側の2つはポテンシオメータと呼ばれるもので、左側にあるネジを回して抵抗値を変化させます。ポテンシオメータの形はこの写真のようなものだけではなく、一番右側の形に近いものもあります。用途によって形状を選択することができます。 回路記号は と表示します。 可変抵抗器には軸の回転角度と抵抗値の変化する度合いにより3種類あります。 タイプA(Aカーブ)は軸を右に回転した場合、最初は抵抗値がゆっくり変化し、後半は急に変化するタイプです。 ラジオの音量調節(ボリューム)などはAカーブの可変抵抗器が使われます。小さな音を微妙に調整するのに適しています。人間の耳で聞いた音量の関係(小さな音の変化は良く分かるが、大きい音の変化はよく分からない)に適しているのだと思います。 タイプB(Bカーブ)は軸の回転と抵抗値の変化が直線的に変化します。 回路中の抵抗値設定、バランス回路など調整することが目的の場合に良く使われます。 タイプC(Cカーブ)はタイプAと逆で、軸の回転の最初は抵抗値が急激に変化し、後半はゆるやかな変化をするタイプです。 このタイプはあまり使用されません。特殊な用途になります。 市販されている可変抵抗器はほとんどがタイプAまたはタイプBです。 受光素子(Cds)
受光感度、サイズ、抵抗値などによって種類がいろいろあります。 写真のものは円筒形の直径が8mm、高さが4mmの大きさで、光が当たらない時には2MΩ位、光が当たった時には200Ω位に抵抗値が変化します。光の当たり方(強さ)によって抵抗値は変わります。 このCds素子は車のヘッドライトの点灯確認装置に使っています。 その他の抵抗器
巻き線抵抗器とは金属の細い線を材料にしたもので、線の長さを調整することで、精密な抵抗値を得ることが出来ます。また、太い線材を使うことができ、大電力用の抵抗器を作ることが出来ます。実際には精密な抵抗値を得るよりも大電力用の抵抗器の用途が多いと思います。 欠点としては線を絶縁体にコイル状に巻き付けるため、周波数の高い回路には使えません。 よく見かけるものとしては抵抗器を焼き物で覆ったホーロー抵抗器やセラミックのケースに挿入して特殊なセメントで固めたセメント抵抗器などがあります。1〜2Wから数十Wのものまであります。 大電力用の抵抗器を使う場合、多量の熱が出ますので、(抵抗器は熱に耐えられるようになっているが、熱は出ます)放熱を十分に考慮することが必要です。
サーミスタ 温度により抵抗値が変わる部品としてサーミスタ(Thermistor:Thermally sensitive resistor )があります。 温度調整の温度センサーとしてよく使われる部品です。
カラーコードの読み方
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