目次PIC回路集リモコン


無線リモコン受信機-1 動作確認



受信周波数の調整

私はこの受信機の調整にディップメータ簡易高周波検出器テスターを使いました。
高周波回路の場合、同調周波数はなかなか計算通りにはいきません。配線もコイルの一部になるし、配線の間隔で静電容量が変わり、コンデンサの値に影響するからです。ですから、調整は必ず必要になります。
    高周波トランスの調整方法
      高周波トランスのコアは上部に切り込みがあり、ドライバなどで位置を調整できるようになっています。コアを右に回すとコアはトランスのコイルに入り、コイルのインダクタンスが大きくなり同調周波数は下がります。コアを左に回すとコアはコイルから抜け、コイルのインダクタンスが小さくなり同調周波数は上がります。コアがトランスの上面になるくらいが理想的な位置です。できるだけそのようになるようにコイルに並列に入れているコンデンサの値を変更します。

    L1の調整
      まず、@に高周波検出器を接続し、ディップメータの周波数を変えながらL1の同調周波数を調べます。予定している周波数(約83MHz)と極端に違っている場合にはC1の値を変えます。@の部分は増幅器が入っていないので、高周波検出器に接続するテスターはできるだけ小さな電圧測定レンジにします。ただし、テスターの針の振れに注意して振り切れないように注意する必要があります。@の部分の電圧は小さいのでこの時点ではあまり細かく調整する必要はありません。

    L2の調整
      次に、Aに高周波検出器を接続し、L2の調整をします。L1の調整のときC1の値を変えた場合にはC2もその値にします。Aは高周波増幅器が1段入っているので、出力電圧は@よりは多少高くなります。

    L3の調整
      次に、Bにテスターを接続し、先ほどと同じようにL3の同調を調整します。Bの位置ではダイオードにより直流に変換されているので高周波検出器をつなぐことはできません。
      私の場合にはC3の値はC2より1pF少なくしました。この方がコアがトランスの上面に合ったからです。

    同調周波数の最終調整
      ディップメータの発振を止め、送信機のコイルに近づけます。ダイアルを回してディップメータの針が振れる周波数が送信機の発振周波数です。
      ダイアルの位置を変えずにディップメータの発振器を動作させます。ディップメータのコイルに受信機のアンテナを絡めます。Bの位置にテスターを接続し、L1、L2、L3を順番に調整し、Bの電圧が最大になるようにします。ディップメータを使わずに送信機の電波を利用することもできます。ただ、送信機は長時間動作させると発信周波数が変動するので、私はディップメータを利用しました。
      ディップメータによる調整が終わったあと、実際の送信機の電波を受信してBに電圧が出ることを確認します。

    コンパレータ出力の確認
      テスターをIC1の7番ピンに接続し、電波を受信していないときに0V、電波を受信すると+5Vになることを確認します。
以上で受信機の調整は全て終了です。あとはPICを搭載して送信コードにより該当するリレーの動作およびLEDの点灯を確認します。
PICを搭載して、正常に動作することが確認できました。



受信機の感度
    今回作成した受信機の感度は良くありません。測定器が無いのでどの位の感度かは測定できませんがおおよそ以下のようです。
    受信機に1m位のアンテナを付け、送信機に20cm位のアンテナを付けた場合、受信機のアンテナと送信機の距離は約1mが限界のようです。
    これでは実用にならないようにも思えます。でも、ドアの開閉とかセキュリティロックの設定、解除などで使うことを考えるとあまり受信機が高感度でない方がよいのかも知れません。(後付けの理屈)
    当初は5m位離れたところからでも制御できるかなと考えていましたが無理でした。想定していた受信感度が得られなかったので、FM受信機用のICを使った受信機を作ろうと思っています。