目次電子回路工作素材集電力制御器


電力制御器 部品説明



トライアック (TB12B6C)

これは私が今回使用している双方向サイリスタ(トライアック)です。東亜紡製のものですが、詳細なデータは分かりません。
    繰返しピーク・オフ電圧 (VDRM) : 600V
    定格実効オン電流 (IT(RMS)) : 12A
TB12B6Cは放熱器取り付け部分もモールドで絶縁されているので、絶縁シートを使う必要はありません。
放熱器の取り付け部分が絶縁されていないタイプの場合には必要に応じて絶縁シート(シリコン・ラバー)を使用します。

双方向サイリスタでの主要電気特性には以下の項目があります。(CQ出版社 電力用素子規格表より抜粋)
項  目記号意  味
繰返しピーク・オフ電圧VDRM ゲートを開放した状態で、繰返し印加できるオフ電圧のピーク値。
一般に商用周波数正弦半波のピーク値で表す。
定格実効オン電流IT(RMS) 連続して流しうるオン電流の実効値。
一般に商用周波数正弦全波オン電流の実効値で表す。
繰返しピーク・ゲート電圧VGMゲート-T1端子間に印加できるゲート電圧のピーク値
繰返しピーク・ゲート電流IGMゲート-T1端子間に流しうるゲート電流のピーク値
オン電圧VTM 主端子間に規定の電流を流したときの電圧降下。
一般に商用周波数正弦半波電流を流したときの電圧降下のピーク値で表す。
ゲート・トリガ電圧VGTオフ状態からオン状態へ移行するのに必要な直流ゲート電圧の最小値。
ゲート・トリガ電流IGTオフ状態からオン状態へ移行するのに必要な直流ゲート電流の最小値。




放熱器

手持ちの放熱器を使用しました。



秋月電子通商の「万能調光器キット」に添付されている説明書では放熱器サイズの目安として以下のことが書かれています。
    トライアックの発熱量
      トライアックのVTM(オン電圧=1.5V)と負荷電流の積で求めます。
    負荷の最大消費電流と放熱板
      (放熱板は2mm厚のアルミ板)
       8A:12W (5 x 5cmの放熱板)
      10A:15W (6 x 6cmの放熱板)
      16A:24W (7 x 7cmの放熱板)
      20A:30W (9 x 9cmの放熱板)

電力制御器をアルミなどの金属ケースに入れる場合、トライアックをケースに取り付ければケースが放熱器になります。



シリコン・グリス


トライアックを放熱器に取り付けるのですが、熱伝導率を向上するためにシリコングリースを使います。シリコングリースは白いペースト状で、熱伝導率を高めるために金属酸化物が混ぜられています。シリコングリースはトライアックの背面に塗り、トライアックと放熱器の熱伝導を良くします。あまり多く塗る必要はありません。多く塗ってもトライアックを取り付けると外にはみ出すだけで、効果ありません。






トリガ・ダイオード ( N413 )


今回使用しているトリガ・ダイオードはNEC製のN413です。
N413のブレーク・オーバー電圧(VBO)はデータシートでは最小26V、最大40Vになっています。
極性はありませんので、どちらの方向に取り付けてもOKです。




ダイオード・ブリッジ ( W02G )


ヒステリシス防止回路にはダイオード・ブリッジを使用しました。
最大耐圧200V、順方向最大電流1.5Aのものを使用しました。流れる電流は少ないので、もっと小さな容量のものでもOKです。
電極の接続を間違えないように注意する必要があります。
ダイオード・ブリッジでなくても4つのダイオードを使用することもできます。




トリガ回路抵抗器


電力の制御を行う可変抵抗器です。
可変抵抗器に直列に2.2kΩの固定抵抗器を入れています。これは可変抵抗器を最小にした場合にトライアックのゲートに加わるパルスの位相が0度以下にならないようにするためです。
1/2Wの抵抗器を使用しています。




ヒステリシス防止回路抵抗器


ヒステリシス防止回路は入力の電圧がプラスからマイナスへ、マイナスからプラスに変わるときにタイミング・コンデンサの電荷を放電させる役目をします。
コンデンサの電荷を放電させるため、ダイオードに電流を流すための抵抗器です。
1/2Wの抵抗器を使用しています。





タイミング・コンデンサ


トライアックのゲートに加えるパルスの位相をずらすためのコンデンサです。
0.1μF 50Vのポリエステル・フィルム・コンデンサを使用しています。
極性はありません。






プリント基板



15ホール x 25ホールのものを使用しました。

ユニバーサル基板





配線端子



入力および出力のケーブルを接続するための端子です。この形状である必要はありません。またはプリント板に直に線をつなぐのであれば必要はありません。





金属スタッド



プリント基板をケースに取り付けるために使用しています。金属でなくてもOKです。
3mmネジで高さ5mmのものを使用しました。