目次→電子回路工作素材集→+5Vスッチング・レギュレータ
1アンペア ステップダウン・レギュレータ(LM2575) 12Vの入力電圧を5Vの電圧に変換するレギュレータです。このレギュレータはプラス電源用です。出力電圧を1.3Vから37Vの範囲で変化させることができるレギュレーターのシリーズもありますが、今回は5V固定のものを使用しています。 放熱器(ヒートシンク) スイッチング・レギュレータの場合、レギュレータ自体での電力損失は比較的少ないです。1Aの出力電流を流すと約1.5Wの損失が出ます。今回作成したものでは約1Wの損失でした。放熱器を付けなくても大丈夫のようですが、小さめのものを付けることにしました。大きさはレギュレータを取り付ける面で高さ25mm、幅23mm、fin方向の奥行き10mmのものを使いました。 シリコン・ラバー レギュレータの放熱器取り付け部分は接地端子と接続されています。放熱器が電気回路と接触しなければレギュレータを直に放熱器に取り付けても良いのですが、念のためにシリコン・ラバーを使用しました。 レギュレータを放熱器へ取り付けるためには3mmのビスを使用します。しかし、レギュレータには約4mmの穴が開けられています。これはレギュレータの穴の部分にも円形の絶縁部品を取り付けて取り付けビスがレギュレータと接触しないようにするためです。シリコン・ラバーを購入するときに一緒に購入しておいた方が良いです。 シリコングリース レギュレータと放熱器をシリコンラバーを挿んで取り付けるのですが、熱伝導率を向上するためにシリコングリースを使います。シリコングリースは白いペースト状で、熱伝導率を高めるために金属酸化物が混ぜられています。シリコングリースはシリコンラバーの両面に塗り、レギュレータと放熱器の熱伝導を良くします。あまり多く塗る必要はありません。多く塗ってもレギュレータを取り付けると外にはみ出すだけで、効果ありません。 ショットキー・バリア・ダイオード LM2575スイッチング・レギュレータは52kHzでスイッチング動作をします。この位の周波数になると普通の整流器用のダイオードでは逆回復時間が長くて使えません。 電流容量としては出力電流の1.5倍以上のものを使用します。 今回使用したダイオードは富士電機製のERB81-004(VRRM=40V,IO=1.7A)を使用しました。 チョーク・コイル チョーク・コイルとしてはトロイダル型のコイルを使用しました。トロイダル・コイルは円筒形のコア(磁性体)に銅線を巻いたもので、コイルで発生する磁束が外部に漏れず、コイル効率が良く、磁束が他に影響を与えることも少なくすることができます。 自分で作ることも出来ますが、銅線を巻くのが大変です。 LM2575のデータシートにチョーク・コイルの値を求めるグラフが掲載されています。 12Vの入力で出力が1Aの場合、220μHのコイルを使用することになります。 今回、私は125μH、2Aのコイルを使用しました。多少、脈流が増えるかも知れません。 実用上は問題ないと思います。 平滑コンデンサ 出力の平滑コンデンサには等価直列抵抗値(ESR:Equivalent Series Resistance)の少ないものを使用します。コンデンサの特性を解析すると、コンデンサの性質以外に、コイルおよび抵抗の性質を持っています。この抵抗値を等価直列抵抗値(ESR)と言います。ESRの値が大きいとコンデンサに電流が流れた場合、電力損失が大きくなり、発熱することになります。 スイッチング・レギュレータの平滑回路で使用するコンデンサには大きな電流が流れますので、ESRの大きいコンデンサでは発熱してしまいます。 ケーブル端子 入力および出力のケーブルを接続するための端子です。この形状である必要はありません。またはプリント板に直に線をつなぐのであれば必要はありません。 ユニバーサルプリント基板 今回の回路を作成するにあたり、本格的なプリント基板を使用するかユニバーサルプリント基板を使用するか迷いましたが、制作の容易性からユニバーサルプリント基板を使用することにしました。 15ホール x 25ホールのものを使用しました。 ユニバーサル基板 金属スタッド プリント基板をケースに取り付けるために使用します。金属である必要はありません。 |