この回路ではAC100Vを扱いますので感電しないように十分注意してください。
双方向サイリスタを使用した電力制御器を紹介します。1つの可変抵抗器で電力制御をすることができます。
この回路は電球の明るさを変える調光器として良く使われているものです。この回路では双方向サイリスタにより負荷に流れる電流の量を変えて電力制御を行います。使用できるのは交流だけで、直流の制御はできません。
双方向サイリスタによる制御は交流電流の流れる時間を制御するので、負荷に流れる電流はきれいなサイン波ではありません。ですから、制御できる機器には制限があります。
双方向サイリスタはトライアックという商品名で呼ばれる方が一般的です。
制御できる機器 |
| 白熱電球、ハンダこてなど抵抗により動作する機器 |
| ドリル、扇風機、掃除機など交流直巻モータ(電極ブラシが付いているタイプ) |
制御ができない機器 |
| 蛍光灯 |
| 同期モータ(コンデンサを使っているタイプ) |
| 同期モータは交流の周波数によって回転数が決まるので、基本的には今回の回路では制御できません。けれども、同期モータに流れる電流が減ることによりモータのトルク(回転させる力)が低下するので、回転数を下げることができます。モータの軸の負荷により回転数は一定ではありません。 |
制御出来る電力は双方向サイリスタに流せる電流の大きさにより決まります。今回は12A用の双方向サイリスタを使用しました。許容電流ではAC100Vの場合、最大1200Wを制御出来るのですが、実際の使用では安全をみて600W位までが良いと思います。
今回の回路は秋月電子通商で販売している「万能調光器キット」をアレンジしています。ダイオードにダイオード・ブリッジを使用しました。
「万能調光器キット」は1999年7月時点で交流電流12A制御用が600円、40A制御用が700円です。ケース、放熱器以外の部品がセットになっています。
キットには完成したプリント板が含まれていますが、今回はユニバーサル基板を使用しました。
|