電圧制御発振器(VCO)
電圧制御発振器の発振周波数はPLLシンセサイザの出力により制御され、安定した119.3MHzの発振動作を行います。
発振回路としてはコルピッツLC発振回路を使用しています。
C3とC4がコルピッツ回路の分圧用コンデンサになります。
C5、D1およびD2のコンデンサ成分で発振周波数を変化させます。
D1およびD2は可変容量ダイオード(バリキャップ・ダイオード)で逆方向電圧を加えるとダイオード自体の容量(キャパシタンス)が変化します。逆方向電圧を高くすると容量は小さくなります。
調整の幅を広げるためにダイオードを2つ使用しています。
MB87014Aのチャージ・ポンプから出力される制御用の信号はパルス状の信号なので、R4、R5、R6およびC6によるフィルタを通して直流の電圧変化に変換しています。
コルピッツ発振回路
コルピッツ発振回路はコレクタ電圧をコンデンサで分圧し、エミッタに帰還することで発振動作をさせるものです。
発振周波数は以下の式で求めることができます。
高周波の回路の場合、トランジスタ自体、配線などのコンデンサ成分、コイル成分があるため、上記の計算の値は目安とする位で、正確には求められません。
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出力バッファ
出力バッファはこの発振器をつなぐ先の回路によって発振回路の動作に影響を与えないようにするために設けています。
出力バッファにはFETトランジスタを使用しています。
FETとは電界効果型トランジスタで、入力(ゲート)に加わる電圧で出力電流(ドレイン電流)を制御することができます。通常のトランジスタはベースに流れる電流で出力電流を制御します。FETの場合、入力電流を流さなくて良いので、シンプルな回路構成にすることができます。
PLL周波数シンセサイザ(MB87014A)
初期化回路
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