目次ケースの製作折り曲げ装置


折り曲げ加工装置 改善点


この折り曲げ装置ははっきり言って失敗です。少し凝りすぎました。決定的な欠陥は発熱部の温度変化の幅が大きいことです。±20℃〜±30℃の幅があります。150℃に設定すると120℃から180℃の幅で変化することになります。温度の変化する状態は「折り曲げ加工装置 性能測定」を見て下さい。

失敗した点(教訓)

ガラスエポキシは高温に適さない
    ガラスという名前が付いているので、高温で使えるかと思いましたが、無理でした。どの位の温度まで使用可能か分かりませんが、100℃前後ではないかと思います。焦げると非常に嫌な臭いが出ます。それもなかなか消えません。
弱電回路とAC電源回路はできるだけ離す
    最初、温度検出回路と電力制御回路を小さなプリント板に組み込みました。その場合、AC電圧の誘導により温度検出回路のリレーがブザーのように振動してしまいました。低周波用のバイパスコンデンサを入れたのですが、完全には無くすことはできませんでした。対策として温度検出回路と電力制御回路を別のプリント板に組み、離すことにより解決しました。
電源電圧の安定度も注意する必要がある
    電圧比較器を使用する場合、安定した電源を使用しないと当然のことですが電圧比較の誤差が出ます。安定化電源装置を使用しいると思って安心していると、以外に電圧が変動していることがあります。今回も電圧変動が影響して正常な温度検出が出来ませんでした。対策として電圧比較回路専用に3端子レギュレータを使用して電圧を安定化させました。
温度センサーには高温用を使う
    今回使用した温度センサーは120℃〜150℃用のものです。発熱部の温度は160℃位にしたいので、温度センサーを発熱部から若干離して取り付けました。センサーの温度は上限温度以内にはなったのですが、温度検出時間がずれるため、温度制御がうまくいきません。発熱部の温度変化幅が大きくなってしまった要因の一つです。
温度を制御する場合、発熱部に使用している材料の熱容量を考慮する必要がある
    今回の装置で失敗したのはこの点です。温度を制御する場合、加熱を止めても発熱部の熱容量が大きいと温度上昇は直ぐには止まりません。その結果、発熱部の温度変化が大きくなってしまいます。なかなか難しいです。
側板が邪魔して発熱部の長さ以上の工作ができない
    発熱部を側板より下側に取り付けました。これはあとからカバーをするときに邪魔になると思ったからです。でも、そのために発熱部の長さ以上のプラスチックを曲げることができません。「アルマゲドン」ではカバーを付けるのを犠牲にして幅の広いプラスチックも曲げられるようにしました。




成功した点

発熱部のアルミ角材の角を上にして取り付けた
    プラスチック板を希望の位置で曲げたいわけですが、アルミ角材の角を上にしているので、曲げる直線の位置を確認しながら作業をすることができます。プラスチックが少し曲がったら、裏返してアルミ角材の平らな部分にプラスチックを当てて加熱し、希望の角度に曲げます。この時の作業は少し斜めの作業になりますが、力を入れて押している必要もないので、作業に支障はありません。
シリコンシートは200℃位まで使える
    金属は200℃位の温度は問題ないのですが、電気を絶縁できません。絶縁材で簡単に加工でき、高温に耐えられるものを探しました。シリコンシートはビニールのように柔らかく、200℃の温度に耐えられることが分かりました。テフロンなども高温に耐えられる材料ですが、高価です。堅い材料で絶縁に優れ、高温に耐えられるものには磁器(セラミック)があります。ただ、加工は難しいです。陶芸をやれば自分の好きな形の高温に耐えられる絶縁材を作れそうです。そのうち始めてみようかなと思っています。
マジックテープはACコードを束ねるのに便利
    装置を使わないときACコードは結構邪魔なものです。コードバインダーで止める方法もありますが、尻尾みたくブラブラして邪魔なものです。今回、ACコードを束ねるのにマジックテープを使用しました。コードの着脱が簡単で結構便利です。束ねたコードは装置の中に入れているので、邪魔にもなりません。