目次PIC回路集室温調節装置


室温調節装置 回路説明

温度センサー回路


今回使用している温度センサーはLM35DZで0℃〜100℃までを測定することができます。ただし、出力の0Vは2℃なので、0℃を計測するためにはマイナスの電圧が必要です。この装置ではマイナスの電源は使用していないので、2℃以上の温度を測るようにしています。センサーの出力は2℃が0Vで、その後1℃ごとに10mV上昇します。ですから、32℃の場合、出力電圧は300mVになります。
センサーの出力電圧がオペアンプで増幅し、PICのA/Dコンバーターへ入力しています。温度表示の校正はVRによりオペアンプの増幅度を調節して行います。今回の回路では回路を簡単にするためにプラス単電源で動作するオペアンプを使用しています。
オペアンプの動作については「動作確認」をご覧ください。


LED表示およびSW読み取り回路


7セグメントLEDの点灯およびBCDスイッチの読み取りはPORTBの下位7ビットを共通に使用しています。デバイスの選択にはPORTCおよびPORTBの8ビット目を使用しています。LED制御の場合にはPORTBの下位7ビットを出力モードにし、BCDスイッチの読み取り時には入力モードにソフトウェアで切り替えています。

BCDスイッチに付けているダイオードは電流の回り込みを防止するためです。BCDスイッチは設定により共通端子と各ビット端子を短絡するので、ダイオードを付けないとスイッチの設定状態によりLED制御を含め全てに影響してしまいます。ダイオードでは約0.6Vの電圧降下が生じます。PICによってはこの電圧によりLowレベル検出ができない可能性があります。

左の例の場合、SW2を6に設定しても、SW1が5に設定されていると、SW1の端子4を通してSW1の端子1が0Vになり、正常な設定値が読み取れません。

試験回路

この回路は表示を切り替えて詳細な温度を表示させるときに使用します。通常は1℃単位の表示ですが、試験モードにすると0.25℃単位で表示することができます。LEDの表示桁は限られているので、INかOUTかのいずれかを選んで表示させます。オペアンプの増幅度の調整をより正確に行うために設けました。
PIC16F873の場合、PORTAの各ポートをアナログポートで使用するかデジタルポートで使用するかをADCON1レジスタのPCFGビットで設定します。0番ポートと2番ポートをアナログにした場合、3番ポートはアナログにしか設定できません。試験モードはOFF、IN、OUTの3種類あるため、アナログポートの利点を生かし、ポートに加える電圧で3種類の識別をさせています。5VはOFF、2.5VはIN、0VはOUTにしています。


モード切替回路

設定温度より室温が高くなったら外部回路を動作させるか(UPモード)、低くなったら動作させるか(Downモード)を切り替えます。単純にRA4のレベルを変える回路です。


出力回路

外部装置を制御する回路です。リレーに流れる駆動電流によりますが、今回の場合にはトランジスタを使用した駆動回路にしています。


発振回路

PICの動作クロックを作る発振回路です。今回の装置では4MHzの発振器を使用しました。



電源回路

+5Vの電源を作る回路です。特に変わった回路ではありません。トランスの出力はAC10Vですが、ダイオードで整流すると150mAが流れた場合には約11Vの電圧になりました。これをレギュレータで5Vに落とします。レギュレータで消費する電力を計算すると( 11V - 5V ) x 0.15A = 0.9Wになります。結構レギュレータの温度が上がります。そのため、レギュレータに放熱器を付けることにしました。