![]() ![]() 日本の標準時刻電波は福島県のおおたかどや山(40kHz)と長崎県のはがね山(60kHz)の送信所から長波電波として発信されています。今回の装置は40kHzの受信機です。 この電波を受信する機能はU4226Bに全て納められています。外部に取り付ける部品としては受信用コイル、40kHzの水晶発振子が2つ、それといくつかの抵抗器とコンデンサです。 U4226Bは40kHzから80kHzの電波時計専用の受信回路として設計されています。詳細仕様については説明資料を参照してください。 ![]() ![]() ![]() U4226Bの出力信号TCO(Time Code Output)は0V - 5Vのパルスですが、パルス波形の立ち上がり、立ち下がりをシャープにするためトランジスタ増幅回路で信号を増幅しています。 LED1はTCO信号のモニタ用です。電波に乗せられている時刻情報は60パルスで構成され、1秒間に1パルスの割合で送られてきます。各パルスの幅は乗せられる情報により異なりますが、LED1の点滅としては1秒毎に行われます。電波が正常に受けられているかどうかの目安になります。 受信機と表示処理装置をケーブルで接続し、離れた場所に設置できるようにしています。ケーブルを使うことにより途中で雑音が乗ることも考えられるため、フォトカプラ(PC0)を使用して受信機回路と表示処理回路を電気的に切り離しています。 Q3のベースに接続しているコンデンサC21はケーブルに乗った雑音を除去するためです。このコンデンサに大きい容量のものを使用すると立上/立下をシャープしたパルスの波形がなまってしまいます。 TCO信号はPIC16F873のRA4ポートに入力しますが、このポートは他のポートと異なり、オープンドレインタイプになっています。すなわち、PIC内部ではプルアップ(+5V側に引っ張り上げる)されていません。そのため、R17によりプルアップしています。 ![]() ![]() 電波が正常に受信されていればこの発振器の精度は問題になりません。 ちなみに標準電波に乗せられている時刻情報はセシウムビーム型原子周波数標準器などが使われ精度は10-13と言われています。1年間は31,536,000秒ですから317,098年で1秒の誤差が生じるという精度です。そんな先までこの時計を使うとは思えないので、全く狂わないと思って良いでしょう。 ![]() ![]() RBポートはタイマー設定(時刻設定ではない)のキー入力ポートも兼ねています。RBポートの該当ポートを必要に応じ入力モード、出力モードを切り替えて使用しています。 ![]() ![]() RAポートおよびRCポートを使用して動作状態を表示するLEDの点灯制御と外部回路の制御回路を駆動しています。キットの回路がこのようになっているので、その回路の特徴を説明します。 LED2(Rx)を制御している回路の場合はPICの消費電流を抑えることができます。(5-0.6)V/10k=0.00044=0.44mAの電流で制御できます。 LED5(TCO)を制御している回路の場合は部品点数を少なくすることができます。 SEC, TM1-4の回路は外部回路を駆動しながら駆動状態をLEDで表示する回路です。LEDに流れる電流は(5-2-0.6)V/470=0.0051=5.1mAになります。 キットの回路ではTM3およびTM4にはLEDおよび外部駆動回路が設けられていません。正分用および正時用の回路をTM3およびTM4の回路に使うよう改造をしました。 ![]() ![]() それぞれのリレー駆動回路にはLEDがあり、タイマーの動作状態を確認することができます。 リレーの電源は電源回路の+12V(A)から取っています。ですからAC入力停止時にはコンデンサによりバックアップは行いません。ACが停止した場合、外部回路へのAC出力も停止するので、リレーをバックアップしても意味がありません。 ![]() ![]() D2はAC入力停止時にコンデンサからの電流が逆流することを防ぐためです。D3はコンデンサ充電時に充電電流がR27を通るようにし、コンデンサ放電時にはR27をバイパスし、コンデンサの放電電流が負荷に直接かかるようにするためです。 コンデンサでバックアップされた12Vは表示処理装置(CPU Unit)と受信機回路(Rx Unit)に供給され、3端子レギュレータで5Vの電圧に変換されます。受信機回路はケーブルで接続されるため、途中のノイズの影響を少なくするためにチョークコイルが接続されています。 |