目次PIC回路集デジタル時計


デジタル時計 部品説明




時計制御PIC ( PIC16F873 )


時計の機能の頭脳を担当するワンチップCPUです。
このPICに書き込んだソフトウェアで時計の機能を実現します。
機能としては高度な機能は使っていません。機能的にはPIC16F84でも充分に実現できるものですが、制御するI/Oポート数の関係でPIC16F873を使用しています。










周辺回路CPLD ( XC9536-PC44 )


プログラム可能な論理デバイス(CPLD)です。これにより回路をコンパクト組むことができます。
今回の回路ではSR-FF、3-8デコーダ、1/200000分周回路を組み込んでいます。詳細は「デジタル時計用 周辺回路」を参照して下さい。
CPLDを使用しない場合、SR-FFに74HC00を1個、3-8デコーダに74HC138を1個、1/200000分周器に74HC390を3個使って同様な回路を構成することができます。










メロディーIC ( SVM7975C )


メロディーICです。このICは8曲が組み込まれています。
ICにはスピーカーを駆動するためのトランジスタを接続できるように設計されています。
今回の回路では音量のレンジを広げるため、外部の増幅器(LM386)を使っています。

1TST試験端子10ENV2エンベロープ制御
2OSC1発振器制御11ENV1エンベロープ制御
3OSC2発振器制御12MO出力
4MS1モード選択13PIアンプ入力
5MS2モード選択14OUT1アンプ出力1
6MS3モード選択15OUT2アンプ出力2
7MTモード選択16STP強制停止
8B/Eモード制御17CHK試験端子
9Vss接地18Vdd電源

SVM7975Cの概略仕様は以下のようになっています。
規格 曲目
項目mintypmax単位
電源電圧1.21.53.4V
消費電流-100200uA
グリーンスリーブズ大好きなワルツ
エリーゼのためにホルデリア
乙女の祈りアマリリス
山の音楽家峠の我家




低周波増幅器 ( LM386N-1 )


約500mWの出力電力が出せる小型増幅器です。周辺部品がほとんどいらないので便利です。
時報(電子オルゴール)の増幅および調整時にテレビ音声の増幅に使用しています。





表示器用電源 ( 78L05 )


安定した+5Vを得るための3端子レギュレータです。
表示用LEDの電源として使用しています。
100mAタイプです。




低周波増幅器用電源 ( 78L09 )

LM386の電源として安定した9Vの電圧を作ります。LM386の場合、電圧はそれほど安定している必要はないのですが、最大電圧が12Vなので、これを越えないようにレギュレータを使用しました。
100mAタイプです。





テレビチューナー用電源 ( 78L12 )

TVチューナの電源として安定した12Vの電圧を作ります。今回使用したTVチューナは放送局の選択を電圧で行っているので安定した電源が必要です。
100mAタイプです。





基本部電源 ( S813-50HG )

安定した+5Vを得るための3端子レギュレータです。
PIC、CPLD、メロディーICの電源に使用しています。これらのデバイスはバッテリーバックアップして停電時にも動作するようにしています。バッテリーの電圧を7.2Vにしたので、レギュレータとしては電圧降下の少ないタイプを使っています。

S813-50HGの概略仕様は以下のようになっています。
項目記号条件MinTypMax単位
出力電圧VoutVin=7V,Iout=40mA4.885.005.12V
入出力電圧差VdifIout=40mA-0.120.24V
許容損失Pd
--500mW
負荷安定度Vout Vin=7V
Iout=50uA〜60mA
-70110mV
電源電流IssVin=7V,無負荷-1630uA
入力安定度Vout/(Vin*Vout) Vin=6V〜15V
Iout=40mA
-0.040.20%/V
入力電圧Vin
--15V
出力電圧の
温度係数
Vout/Ta Iout=40mA,Vin=7V
Ta=-30〜+80℃
-±0.53-mV/℃
リップル除去率RR f=100Hz,CL=100uF
Vin=7V,Iout=40mA
3550-dB



LED制御用トランジスタ ( 2SA1015 )

7セグメントLEDの点灯制御を行うために使用しています。LEDのアノード側を制御するのでPNPタイプを使用します。






バックアップ電源用ダイオード


バックアップ電池の電流制御用のダイオードです。1Aタイプを使用しています。もっと許容電流が少ない物でも良いのですが安価なので1Aタイプを使っています。





ICソケット


PIC、メロディーIC、低周波増幅器を搭載するためのICソケットです。
PIC用の28ピンソケットはスリムタイプです。ピン間隔が合えば、14ピンのものを直列に使用してもOKです。





PLCC


CPLDを搭載するためのICソケットです。44ピンタイプです。
ピン配置については「PLCCソケット」を参照して下さい。



レゾネータ


PICのクロック発振子には4MHzのレゾネータを使用しています。
4MHzである必要はないのですが、もし、周波数を変えた場合にはLED表示周期のタイミングなどが変化します。時計の精度には関係しません。



時刻表示用7セグメントLED


時、分表示には少し大きめの7セグメントLEDを使用しています。秒には小型のものを使用しています。





AM/PM表示用LED


AM、PMの文字を表示するために使用するLEDです。内部に4つのLEDが入っています。LEDの表面にAMおよびPMという文字を切り抜いた黒い紙を貼り付けています。最終的にはLEDの前に紫色のアクリル板を付けるので黒い紙は目立ちません。





時表示用LED


時表示と分表示の区切りに使うLEDです。




メロディーIC用LED


メロディーICの電源および入力電圧制御用のLEDです。SVM7975Cの電源電圧は3V位です。5Vの電圧を抵抗器とLEDを使って約2Vの電圧にしています。このLEDは常時点灯します。白い方のLEDがそれで、緑色に点灯します。
PICから出る制御信号も5Vなので、これを約2Vにするために同じように抵抗器とLEDを使用しています。赤色のLEDがそれです。




メロディー選択用タクトスイッチ


何らかの条件で電源を完全に停止した場合、メロディーの順番に狂いが生じます。このスイッチを押す毎に曲が切り替わります。




抵抗アレー


SR-FFの入力をプルアップするための抵抗器です。
実装スペースの関係で抵抗アレーを使用しています。




TVチューニング用可変抵抗器


テレビの選局をする電圧のための抵抗器です。




抵抗器

全て1/8Wの抵抗器を使用しています。




積層セラミック・コンデンサ


電源の高周波バイパス用に使用しています。




電解コンデンサ


電子オルゴール回路のカップリング・コンデンサとして使用しています。極性があるので、取り付ける際には注意が必要です。




LED表示フィルタ用アクリル板


LEDの前面に紫色のアクリル板を取り付けます。これにより点灯しているLEDがはっきりと見えるようになります。




プリント基板


40x50ホールのユニバーサル基板を使用しています。
必要な大きさに切って使用しています。




配線端子


外部との配線に使う端子です。




コネクタ


スピーカーの接続に使用するコネクタです。
スピーカーはケースの前面に取り付けるため、補修などで線を取り外すことがあるので、接続にはコネクタを使用しています。




スタッド


プリント基板の取り付け、LEDフィルタ用アクリル板の取り付けに使用しています。
プリント基板取り付け用には5mmのもの、アクリル板取り付け用には10mmのものを使っています。