目次ケースの製作


プラスチック板穴開け加工装置の作成


アクリル板にドリルでは開けられない大きさの穴を開けるための工具を考えてみました。ニクロム線の熱を利用してアクリルを溶かして穴を開ける方法です。
しかし、この工具の作成はさしあたり止めることにしました。
それは以下の理由によります。

アクリルを溶かすのには高温が必要

アクリル板を曲げるだけでも160℃位の温度が必要です。アクリル板を溶かすとなるとそれ以上の高温が必要になります。
ニクロム線を使用すれば必要な温度を得ることは出来ます。

溶かして開けたアクリル板の切り口はきれいにはならない

熱でアクリル板を溶かした場合、溶けた部分のアクリルは盛り上がります。
ですから、穴を開けた後、ヤスリを使用してきれいに削る必要があります。

アクリル板に穴を開けるためのニクロム線の温度制御が難しそう

ニクロム線は直線的に伸ばして使用する必要があります。また、それほど長くは出来ません。せいぜい、10cm位の長さです。このように短いニクロム線に多量の電力を加えると焼き切れてしまう可能性があります。微少電力の制御が必要です。
トライアックを使用した電力制御器で制御可能かどうか分かりません。
比較的低電圧の直流電源で制御した方が良いかも知れません。そのうちに試してみたいと思います。

ニクロム線の取り付けと作業台の構造が難しそう

アクリル板に開ける穴の内側に小さな穴をドリルで開け、ニクロム線を通す必要があります。そのため、ニクロム線の端は電極から容易に着脱できる構造にする必要があります。圧着端子使う場合にはアクリル板に圧着端子が通る大きさの穴を開ける必要があります。

結局、糸ノコを使用して穴を開けた方が簡単であると思い、ニクロム線による工具の作成は止めることにしました。

期待してごらんになった方には申し訳ありません。


薄いアクリル板の場合には彫刻刀などを使用して穴を開けることもできます。
0.5mmより薄い板の場合には彫刻刀を使用した方が簡単です。

以下に、糸ノコを使用した穴開けの手順を参考に紹介します。


穴の線を描く

    アクリル板に紙が張ってある場合には、コンパスなどを使用して穴の輪郭を描きます。ただ、穴を開けるときに紙は破けるので、線が分からなくなる可能性があります。できれば、直接アクリル板に線を描いた方が良いです。
    わたしは、デバイダー(製図などで等間隔の寸法を描く道具)を使っています。
    デバイダーはコンパスのような形をしていますが、両方の足が尖った金属で作られています。片方を円の中心に固定し、もう片方で円を描くとアクリル板に円を描くことができます。




描いた円の内側に3mm位の穴を開ける

    糸ノコの刃を通す穴です。刃が通る大きさの穴であればOKです。




糸ノコで穴を開ける

    描いた円の内側を糸ノコで切ります。切った円は後でヤスリを使用して形を整えますので、きれいに円に沿って切ることはありません。でも、必ず内側でなければいけません。




ヤスリで円の形を整える

    半月ヤスリまたは丸ヤスリを使用して、円の形を整えます。穴に取り付ける部品が手元にある場合には、実際に部品を穴に取り付けてみて、穴の大きさを確認しながら作業をします。できあがった穴のエッジのバリ(ギザギザになった部分)もきれいにします。

以上の方法で厚いアクリル板にも大きな穴を開けることができます。