ステッピング・モータ駆動回路 回路説明 |
モータドライブ回路 ステッピングモータのコイルを駆動する回路です。コイル、コイル、コイル、コイルを駆動する回路がそれぞれあります。駆動する順番はPICのソフトで制御されます。 コイルの駆動にはダーリントン接続タイプのトランジスタを使っています。ダーリントン接続とは回路図を見て分かるようにトランジスタが2段接続されています。それによりトランジスタの増幅率はそれぞれのトランジスタの増幅率のかけ算になります。今回使用した2SD1209Kの場合、電流増幅率(hfe)は4000以上という値です。と言うことは入力が少し変化しただけで出力(コレクタ電流)が大きく変化することになり、制御信号の立ち上がり、立ち下がりを速くすることができます。 コレクタと電源の間に入れているダイオードはトランジスタの保護用です。トランジスタがONからOFFになるとモータのコイルには電流を流し続けようとして高電圧が発生します。その電圧による電流をダイオードに流すことによりトランジスタに高電圧がかかるのを防いでいます。 速度制御回路 モータの回転速度を制御する回路です。 RB7をHレベルにするとTR1がON状態になり、コンデンサC1の電荷はトランジスタを通して流れ、コンデンサの両端の電圧はほとんど0Vになります。 RB7をLレベルにするとトランジスタはOFF状態になり、コンデンサC1にはVR1およびR4を通して電流が流れ、コンデンサに電荷が貯まり始めます。電荷が貯まるにつれてコンデンサの両端の電圧は徐々に高くなります。この電圧の変化については「積分回路」を見て下さい。 コンデンサの電圧をRB5で検出します。PICのソフトではRB7をLレベルにした後、RB5をチェックし、RB5がHレベルになるまでモータの制御を中断します。ですから、VR1を小さくしてコンデンサに電荷が貯まる時間を短くするとモータの制御は速く行われ、VR1を大きくするとモータの制御が遅くなります。コンデンサの値を変えることにより速度変化できる幅を変えることができます。 スタート/ストップ回路 モータを右回転、左回転または停止するための回路です。ノンロックのタクトスイッチです。スイッチがOFFの時、ポートがHレベルになるようにプルアップ抵抗器を使っています。RBポートには内蔵のプルアップ機能があるのですが、コンデンサの電圧検出にRB5を使っているので、内蔵のプルアップ機能は使っていません。コンデンサの電圧検出をRAポートで行えば、RBの内蔵プルアップ機能は使えます。今回の回路ではパターンの関係で、このようにしました。 発振器 高速動作は必要ないので4MHzのレゾネータを使用しています。 電源回路 この回路の目的はステッピングモータの電源が5V以上の場合、PICの電源電圧を5Vに抑えるためです。 今回使用したステッピングモータの動作電圧が約5Vなので電源電圧は+5Vにしています。この場合、PICに加わる電圧はレギュレータでの電圧降下(約1V)のため5V以下になります。PIC16F84Aの場合、動作電圧は2Vから5.5Vの範囲なので電源が3V位まで下がっても動作可能です。 100mAタイプで十分です。 |