目次事例集超音波距離測定器


超音波距離測定器 性能評価


作成した超音波測定器の性能を評価してみました。
音響ホーンを付けましたが、長距離の測定をする場合、近くの物体からの反射を検出してしまうことがあります。



測定器の調整

測定器の表示調整を行います。ケースの取り付けているVR3を中央に設定します。平均的な測定環境温度の場合にVR3を中央にすれば、その温度の前後で表示補正を行うことができます。



測定対象物から測定器を1m離し、表示が1.00になるようにVR2を調整します。
以後、特殊な温度で無い限りVR2を調整する必要はありません。


以上の調整を行った後、VR3を回すと表示は以下のように変化しました。
VR3の状態表示1.00を表示する温度*1
左に回しきった時0.973.0℃
中央1.0020.0℃
右に回しきった時1.0442.7℃

*1:上限および下限は表示から計算した値です。



最短距離測定

測定器を対象物に近づけていくと、約34cmで表示が変化しなくなりました。
今回の測定器では受信信号検出回路の誤検出防止用コンデンサを0.1μFとしているので、上記以下の距離では受信パルスも誤検出防止回路でガードされてしまいます。
もっと短距離を測定するためには送信パルスの送出時間を短くして、誤検出防止用コンデンサの値を小さいものにする必要があります。
ただし、送信パルスの送出時間を短くすると超音波のエネルギーが少なくなり、長距離の測定が出来なくなります。




最長距離測定

長距離の測定は以外と難しいです。以下のような条件が整わないとなかなか正確な距離の測定ができません。
対象物が測定器と直角であること。
対象物の表面が超音波を跳ね返し易いように平らであること。
周囲に超音波を跳ね返す物体が無いこと。

私の場合、約8mまでの距離を確認できました。条件を整えれば10mまでの距離を測定することが可能と思われます。
10m以上の距離になると10mの位は表示器が無いので表示されませんが、下3桁は測定結果を表示します。
送信エネルギーは大きくないので、10m位までが測定の限界です。



測定上の注意



測定をする場合、対象物と直角でなければなりません。
直角でない場合、超音波が反射した先の対象物までの距離を測定することもあります。