目次事例集安定化電源装置レギュレータ


スイッチング・レギュレータ 部品説明
(HPH12002M)



HPH12002M

1:入力端子
2:コイル接続端子
3:GND
4:コイル接続端子
5:出力端子
6:出力電圧可変端子
7:コイル
下面図8:コイル

HPH12002Mの仕様
定格入力電圧32V入力電圧範囲24〜40V
効率(Vin=32V)85% Typ
動作周波数35KHz
定格出力電圧12V
出力電圧精度±5%
入力電圧変動
(24〜40V)
15mV Typ
負荷変動
(0〜2A)
100mV Typ
温度ドリフト±1.7mV/℃
出力電圧可変範囲7〜20V
定格電流2A
リップル70mVp-p
過電流保護 自動復帰
電圧垂下動作

動作周囲温度−10〜+80℃




低ESRコンデンサ


スイッチング・レギュレータではコンデンサに大きな電流が流れます。そのため、コンデンサとしては等価直列抵抗(ESR)の小さなものでないと発熱および電圧降下が発生します。
今回の回路では4Aの電流を出力するので、低ESRのコンデンサを並列接続してさらにESRを下げています。





積層セラミック・コンデンサ


スイッチング・レギュレータでは高周波によるスイッチングを行いますので、高い周波数のノイズが発生します。積層セラミック・コンデンサは高周波特性が優れているので、高周波のバイパス・コンデンサとして使用しています。バイパス・コンデンサは高周波成分をアースに流して入力および出力に高周波ノイズが出ることを防ぎます。





チップタイプ抵抗器


レギュレータの負荷バランス用の抵抗器です。プリントパターンに直接ハンダ付けをする表面実装タイプの抵抗器を使用しています。許容電力ははっきりとは分かりません。(1W?)
今回の回路ではこの抵抗器で消費する電力は0.2W(I2 x R = (2A)2 x 0.05Ω)です。

写真はマクロ撮影していますので、大きく見えますが、実際のサイズは高さ3mm、幅6mm、厚さ1.8mmです。




フィルタ・コイル


今回の電源では出力電流を最大4Aまで取り出すことができます。ですから、フィルタ回路で使用するコイルは5Aまで流せるものを使用しました。
適当なサイズのコイルが入手できなかったので、自分で作りました。
外径15mm、内径10mm、高さ10mmのコアに1mmの太さのホルマル線(PEW:Polyester enameled copper wire)を22回巻いてトロイダル・コイルにしました。インダクタンスは測定の結果25μHでした。
本当は大きな電流を流す場合、コアも大きなものを使用する必要があります。電流が多くなるとそれによる磁束も増え、コアが小さいと磁束を通しきれずにインダクタンスが減少したり、損失が増えたりします。今回の回路では大きなインダクタンス値は必要ないので、実装を優先して小さなコアを使用しました。小さなコアに1mmの線材をトロイダル状に巻くのは力が必要です。苦労しました。





プリント基板


縦75mm、横100mmの両面用のポジティブ感光プリント基盤を使用しました。
両面タイプである必要はありません。部品面に名称を入れる目的で使用しました。
贅沢な使い方です。片面タイプで十分です。




配線端子


スイッチング・レギュレータと外部の部品とを配線で接続するための端子です。
本当はジャンパー用の端子です。





金属スタッド


プリント基板をケースに取り付けるために使用しています。金属でなくてもOKです。
3mmネジで高さ5mmのものを使用しました。