目次電子回路工作素材集555タイマー


555タイマー タイムアウト時間の計算



タイマーの時間は以下の式で求められます。



t=タイムアウト時間(秒)、C=コンデンサ容量(F)、R=抵抗値(Ω)

この式は以下のように導くことができます。
コンデンサ(C)と抵抗器(R)が直列に接続された回路に電圧(V)が加わった場合の電流変化は以下の式で求めることができます。

i: 時間と共に変化する電流 (A)
V: 印加電圧 (V)
R: 抵抗値 (Ω)
C: コンデンサ容量(F)
e: 自然対数の底(2.71828)
t: 充電開始後の経過時間 (秒)
CR: 時定数 (C × R)

抵抗器(R)の両端に加わる電圧の変化は以下の式になります。



コンデンサ(C)の両端の電圧が電源電圧(V)の2/3になるときがタイムアウトする時間になります。
すなわち、抵抗器の両端の電圧が電源電圧(V)の1/3になるときです。



時間(t)は以下のようになります。






作成した回路ではRはR1+VRです。VRが最小の場合と最大の場合で計算すると以下のようになります。

    VR=0Ω(最短時間)
      t= 1.1 × 100 × 10-6 × 100 × 103

      = 11 (秒)

    VR=1MΩ(最長時間)
      t= 1.1 × 100 × 10-6 × 1100 × 103

      = 121 (秒)




今回作成した回路のタイムアウト時間を測定すると以下のようになりました。
    VR=0Ω(最短時間):  13秒
    VR=1MΩ(最長時間): 138秒

コンデンサの誤差を+10%、可変抵抗器の誤差を+10%、抵抗器の誤差を+5%とすると最長時間は以下のようになります。
    t= 1.1 × 110 × 10-6 × 1205 × 103

    = 145.8 (秒)

実測の時間の誤差は部品の誤差範囲内と言えます。