ほとんどの部品はキットに含まれています。 電圧測定用IC (ICL7136) ICL7136はアナログ/デジタル変換用のICです。 アナログ電圧をデジタル表示するためのICということです。 今回使用しているICは40ピンのDIPタイプです。 ±200mVまたは±2Vまでの電圧を正確に測定することが可能です。 液晶ディスプレー (SP521PR) TN(Twisted Nematic)タイプの液晶ディスプレーです。 4桁の表示が可能ですが、最大桁の表示は「1」のみが表示可能です。 直流で動作させることは出来ませんが、バックプレーン(common)と端子間に約5Vの直流電圧を加えると対応するセグメントの色が一時的に黒く変化するので端子との対応を確認することが可能です。 5Vの電源などで確認する場合、短絡時に大電流が流れないように10KΩ位の抵抗器を直列に入れておくことが必要です。 今回使用しているSP521PRの仕様は以下のようになっています。
最大印加電圧:10V 動作温度:−10〜55℃ 保存温度:−20〜60℃ ICソケット ICL7136および液晶ディスプレーを実装するために使用します。 40ピンのDIP用ソケットです。ICL7136ではそのまま使用しますが、液晶ディスプレー用のものはソケットを途中から切り離し、ピンの間隔を広くして使用しています。 また、ICL7136用ソケットの場合、ソケットの内側に部品を実装するので、ソケットの途中に支えがある場合にはそれを切り離して使用します。 温度センサー・ダイオード (1S1588) 温度センサーとして使用するダイオードです。このダイオードの本来の用途はスイッチング用のダイオードです。温度センサーにはシリコンダイオードであれば、他の品名のものでもOKです。 ただし、モールドタイプなどの場合、温度が接合部に伝わるのに時間がかかるので、あまり向いていないようです。 ダイオードの代わりにトランジスタを使用することも可能です。コレクタとベースを接続してベースとエミッターの接続部を温度センサーに使用します。ICL7136のマニュアルではそのような使用方法が記載されています。トランジスタを温度センサーに使用する場合には金属ケースに入っているタイプの方が良いようです。 ダイオードのリード線は熱に耐えられるチューブ(ガラス繊維チューブ)などで絶縁し、シールド線を使用して温度計本体と接続します。 ポテンシオメータ ゼロ設定およびスケール設定に使用しています。ネジのピッチにより抵抗値を変化させるので、微細に抵抗値を変化させることができます。 抵抗器 キットに含まれている抵抗器は抵抗値誤差1%のタイプを使用しています。 抵抗値自体の正確さはそれほど必要はないのですが、微小な電圧を扱うので、温度などによる抵抗値変化が測定誤差に微妙に関係する可能性はあります。 積層セラミック・コンデンサ 電源のバイパス用に使用しています。高周波のバイパスを目的としているので、高周波特性の良い積層セラミック・コンデンサを使用しています。 フィルム・コンデンサ ICL7136の入力電圧計測、基準電圧設定などに使用するコンデンサです。 測定の精度に影響するので、温度変化の比較的少ないコンデンサを使用します。 また、実装面でも小型のものが必要です。 セラミック・コンデンサ ICL7136のクロックを発振させるためのコンデンサです。約50KHzの周波数で発振させるため、高周波特性の良いセラミック・コンデンサを使用しています。 プリント基板 キットに添付されているプリント基板です。既にプリントパターンが作られているので、所定の位置に部品をハンダ付けするだけで温度計を作成することができます。 ダイオードセンサーを使用する場合、ダイオードの電流を制御するための抵抗器(R4)が必要です。プリント板のパターンはこの抵抗器の実装は考慮されていません。パターン図に記載したR4の実装位置にはソルダーレジスト(緑の塗料)が塗られているので、抵抗器を実装する前にカッターナイフなどで削り取る必要があります。 シールド線 ダイオード温度センサーと温度計本体を接続するために使用します。ICL7136の入力インピーダンスは非常に高く外部雑音信号の影響が受け易いので、シールド線により影響を少なくします。 私は手持ちの2芯のシールド線を使用しましたが、単芯のシールド線でOKです。 キットには含まれていません。 配線端子 温度センサーおよび電源の線を接続するための端子です。 キットには含まれていません。 スタッド プリント板のパターンは固定用の穴の近くまで描かれています。金属製のスタッドを使用すると接触する危険性があります。そのため、モールドタイプのスタッドを使用しました。 スタッドでなくても、プラスチック製のスペーサを使用してもOKです。また、絶縁タイプのワッシャーを使用することも可能です。 キットには含まれていません。 |