負荷変動による電圧・電流変動
出力に接続する負荷抵抗を小さくしていくと、ある時点から出力電圧が低下します。今回作成した回路では負荷抵抗器を4Ω以下にした時点から出力電圧が低下し始めます。これは入力電流の制限(計算では1.3A)によるものと思われます。
グラフでは入力電流のピークは0.7A位ですが、電流計ではパルス的に流れる電流値は測れません。レギュレータのトランジスタがON状態の時に1A以上の電流が流れているはずで、この電流値で電流制限されているためと思われます。
抵抗値が4Ω以下でも出力電流は増加していますが、下のグラフで分かるように出力電力は低下しています。そのため、入力電流も減っているわけです。 |
負荷変動による電力変動
上の図は負荷抵抗の値を小さくした場合の入出力電力および効率の変化を表しています。4Ω以下の抵抗の場合では出力電力は低下しています。
コンバータでの損失(入力電力−出力電力)は約1〜2Wで出力電力が多くなると若干増加します。そのため、実用領域での効率は約70%の平坦な変化になっています。 |
温度上昇
レギュレータのケースの上部に熱電対温度センサーをピンポイントで接触させて温度上昇を測定しました。レギュレータは最大出力に近い5Wで測定をしました。レギュレータの損失は約2Wです。約10分で温度は一定(66℃)になりました。
レギュレータで発生した熱はケースおよびピンを通してプリントパターンから放熱されます。
MC34063Aの接合部の最大定格温度は+150℃となっています。測定場所はICケースの上部で、接合部に近い場所なので、まだ、余裕はあります。
ステップアップおよびインバーティングについては測定していませんが、いずれもステップダウンと同様にレギュレータでの損失が約2Wですので、温度上昇も同様と思います。 |
脈流電圧
上の写真は無負荷時の出力に出ている脈流電圧の波形です。電圧は約10mVp-pです。出力電圧が5Vですから0.2%の脈流になります。
この脈流電圧は負荷に電流が流れるとほとんどなくなり、きれいな直流電圧になります。今回の回路では二次フィルタを設けていますので、負荷に電流がながれると二次フィルタのコイル(L2)の平滑作用が働き、脈流電流の流れを阻止するためと思われます。 |
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